
30代で未経験だけどWebディレクターに転職したい。
でも多忙で大変そうなイメージ。
経験がない自分にできるか不安です。
Webディレクターに転職したいと思っても、ディレクションの経験がないと不安ですよね。
悩んでしまって、一歩が踏み出せない人も多いと思います。
そこでこういった記事を書きました。
僕は34歳で、ディレクション未経験からWebディレクターになりました。
厳密に言えば、HTMLやイラレなどは少しだけ知っていましたが

・CSSの言葉は知ってるけどいまいち理解していない
・Wordpressってなに?新聞?
・UI/UX?ういうくす?
このように、Web制作における基本的な言葉を知らなくても転職できました。
思い切って転職した、という方が正しいかもしれません。
そしてたくさんのことを学びましたが、正直にいうと、それからの2年はかなり大変でした。
こういった僕自身の経験談を踏まえて習得したスキル、学んだこと、見つけた心構えや準備、やるべきことを解説します。
みなさんの不安解消に役立てれば幸いです。
30代未経験でWebディレクターに転職する時の不安とは
未経験からWebディレクターを目指そうとしている人が持つ「不安」の正体と、不安を解消するための考え方、行動について解説します。
未経験の人が持つ不安とは
30代未経験でWebディレクターを目指す時、こんな不安があると思います。
未経験の人が持つ不安
- 実際のところ30代、未経験でWebディレクターになれるの?
- Webディレクターになって、どんないいことがあるの?
- 実際、Webディレクターって大変なの?
- Webディレクターになるための心構えを知りたい
- 未経験でWebディレクターになったら、具体的に何をすればいいの?
- 30代でWebディレクターになったら他にやるべきことはある?
- Web業界に強い転職サイトを知りたい
不安を解消するための経験談、考え方
上記のような不安を持つ人は多いと思いますが、結論から言えば、30代未経験でもWebディレクターになることは可能です。
Webディレクションの具体的な仕事、必要なスキルなどについては、関連記事を参照してください。
1. 僕が34歳未経験でWebディレクターとして採用された理由
僕は中小企業の少人数のチームでWebディレクターになりました。
後々教えてもらったのですが、Webディレクション未経験で34歳の僕が採用してもらった理由は
僕が未経験からWebディレクターに採用された理由
・人当たりの良さや温和な性格(自分で言ったわけじゃないですよ)
・資料作りや分析系のスキル(もともとの得意分野)
・走りながら学ぶ積極性(経験、年齢関係なし)
このあたりを買ってもらったみたいです。
採用理由が役立った場面
上記の採用理由が、どんな場面で役に立ったかというと
・人当たりの良さや温和な性格
→チーム内の調整役、顧客からの信頼感など
・資料作りのスキル
→企画書作り、スケジュール作り、制作マニュアル作りなど
・走りながら学ぶ積極性
→受託案件の制作進行業務とディレクション学習の並行稼働
まだメンバーも制作の基盤も確立していないような走り出したばかりのWeb制作チームだったこともあって、走りながら学ぶという条件で採用してもらったんですね。
僕としては34歳だからということは関係なく、積極的に学びながらディレクション業務を覚えていくつもりでしたので、そういった前向きな姿勢も採用で高評価だったのだと思います。
自分で言うのもなんですが(笑)
このように、30代でWebディレクション未経験の場合、何か他に強みがあると企業からは好まれる可能性があります。もちろん若ければ若いほど採用の確率は高まるとは思います。
2. Webディレクターになるメリット
Webディレクターは多忙というイメージがありますが、実際、その通りです。
ただその中でもWebディレクションという仕事を通じて得られるメリットはたくさんあります。
大手制作会社など、ディレクターの役割が細分化されている環境では少し状況が異なります。
一般的にはこんなところだと思いますが、他にもたくさんあると思います。
要するに、やることは本当にたくさんあるけど、その分得られるものもたくさんあるということです。
3. Webディレクターの大変なところ
上記のようにWebディレクターとして活躍できるようになると、すごく面白いしやりがいもたくさんあります。
でも特に未経験から転職する場合、大変なこともたくさんあります。
僕の主観もかなり含まれていますが、その理由は以下の通りです。
Webの分野に限ったことではないですが、ディレクション未経験で転身するのと、ある程度の基礎がある状態で転身するのとでは大きく違います。
プレッシャーを常に感じながら、複数の案件を回していきます。そこで自分にある程度の自信がないと、途中で挫折してしまう可能性がとても高いと僕は感じていました。

脅すわけではないけど、僕が実際に体験した中で
感じた正直な感想なんだよ。
大変なイメージを持ってしまうと思いますが、上述したようにWebディレクターはやりがいがとてつもなく大きいです。
未経験でWebディレクターになったら、面白さ、やりがいを感じられるところまで早く到達して欲しいと思います。
ここからは、そのための考え方や方法を解説していきますね。
4. Webディレクターが持つべき軸と役割
「やっぱりWebディレクターって大変そう」と思ってしまいましたかね?
プレッシャーを楽しんで成長の糧にしていける性格の人には向いている仕事と言えます。
自分には難しいかなという人はプレッシャーをうまく交わしつつ、ここからの話を読んでもらえれば不安が解消するかなと思います。
僕が考える、Webディレクターにとって最も大事な軸をお伝えすると
これに尽きます。
Webに限ったことではないですよね。
未経験の人は特に、ここだけはブレずに持っておくことが大事です。
ここをブレずに持っていれば、トラブルがあった時も軌道修正ができます。
もう少し具体的にお伝えすると。
何度も書いていますが、ディレクション業務は本当にたくさんあって、顧客と制作者との間に挟まれてプレッシャーが多いんですね。
その中で、たくさんのことを同時並行に回すのが役割なので、Webサイトを制作する目的を見失いそうになる時が来ます。
僕が尊敬する田口真行さん(デスクトップワークス)がおっしゃっていた表現を拝借すると
“ディレクションとは船で航海するようなもの”です。
どんな状況でも目的地をしっかり見据えておくことを常に頭においておくことで、仮にトラブルが起こったとしても「顧客の悩みを解決する」目的を達成するための手段を見つけることができます。
そこをうまく乗り越えられれば、きっとWebディレクターの醍醐味を味わえる日が来るはずです。
目的を達成するためのWebディレクターの役割
Webディレクターの最大の役割は「通訳」です。
Webサイトを制作する時は、依頼主である顧客、制作するデザイナー、コーダー、プログラマーがいて、依頼主の要望を聴き取って制作者に指示を出すのが仕事です。
ただ指示を出せばいいわけではありません。
顧客の要望をWebサイトという成果物に変換するので、制作者に顧客の要望をきちんと伝える必要があります。
そしてそのためには、Webディレクターが顧客の要望をしっかり理解しなければなりません。
そうはいっても顧客の要望を聞いてばかりでいると、予算や工数が破綻する可能性も出てきます。
顧客の悩みを解決する成果物を作ることを目標としながらも、限られたお金、時間、人というリソースのバランスを見ておく必要があるんですね。
顧客の悩みを解決することができなければWebサイトを作る意味がないので、予算や人などのリソースを意識しつつ、しっかり要望を噛み砕いて制作者に伝える=通訳することがWebディレクターの最大の役割というわけです。
≫ Webディレクションを学ぶ本・サイト・スクールまとめ【まず基礎を習得】
5. 未経験のWebディレクターがやるべきこと5つ
ここまで読んでいただくと、未経験の人にとってWebディレクターに対する不安や心配の正体を掴めたと思いますが、いかがでしょうか?
ここからはその不安や心配を解消するために、Webディレクターがやるべきことを5つにまとめました。
ちなみに、これらはすべてWebディレクターになる前からやっておくべきことでもあります。
ディレクションのスキルはもちろん大事ですが、それよりも常に情報を入手したり、全体を俯瞰したりするなどの心構えが大事だと思っています。
それぞれ解説しますね。
① とにかくWebサイトを見まくる
未経験者は特に「良い」と言われるサイトをたくさん見ましょう。
「良いサイト」の定義は様々ですが、例えば知りたいことで検索して上位に表示されたサイトを見るのが早いと思います。
その時、以下のポイントを意識してみましょう。
Webサイトを見るポイント
・知りたいことがすぐに解決できるか
・文章が読みやすいか
・図や表が適度に使われていて理解しやすいか
こういったポイントで、実際のサイトから学ぶのが近道です。
同じ検索結果で上位された他のサイトも見て比較。できるだけたくさん見比べましょう。
疑問が解決されたサイトと、そうでなかったサイトはどう違っているのかを分析すると「良いサイト」がわかると思います。
逆に、自分の知りたいことが見つからなかったり解決できなかったサイトは、何が悪いのか、どうすればもっと良くなるのかを自分なりに分析してみる方法もおすすめします。
≫ Webディレクションを学ぶ本・サイト・スクールまとめ【まず基礎を習得】
② 目標とするディレクターを見つける
先輩ディレクターがいればよく観察しましょう。
もし近くにいなければWebディレクション界の著名人の講習会を受けて、その講師のFacebookやTwitterから情報収集するのも一つの手ですね。
企画書作りやガントチャートの扱い方、タスク管理ツールの使い方など細かいスキルの習得も大事ですが、Web制作の本質をしっかり理解しておくことが最重要だと思います。
schooなどディレクションを学びたい人向けに、こちらの記事も合わせてご覧ください。
③ Webディレクター仲間を見つける
悩んだ時にその都度解決するため相談できる仲間を作っておいた方がいいですね。
Webディレクターは顧客と制作者の双方を意識しなければならないので、とにかく立場的に心労が多い職種です。
どうしても精神的にきついと感じる瞬間があるので、そんな時に気軽に相談できる仲間を見つけておくことが大切です。
Webディレクターであれば、おそらくほとんどの人が自分と同じ苦悩を経験しているはずです。
もう一つメリットがあります。
もし将来的に独立やステップアップを考えているなら、人脈を作れます。
時がきた時に仕事を紹介してもらうことが期待できます。
④ 全体を俯瞰する視点を持つ
作ることに集中し過ぎたり顧客の要望にすべて答えようとしていると、ポンコツサイトができてしまいます。工数も予算もオーバーして、いわゆる「デスマーチ」状態になります。
なによりエンドユーザーの悩みを解決できなければWebサイトを制作する意味そのものがなくなってしまいます。
Webディレクターは進行管理、予算管理、品質管理など役割がたくさんあります。
制作は制作のプロに任せて、今自分たちがやっている作業は顧客の要望に応えるものなのか?顧客の希望する納期に間に合うのか?など全体を俯瞰する視点を持つことが大事です。
⑤ 常にWeb業界のアンテナを張って最新情報を得る
最新情報、技術へのアンテナを常に張っておきましょう。
IT系の職種全般で言えることですがWeb業界もスピードが早い業界で、最新だと思っていた情報が気づけば廃れているなんてことはざらにあります。
Webサイトは一般的に3年程度でリニューアルすると言われていますが、3年経過していればWeb関連の技術は大きく変わっていることも多いです。
さらに制作に利用するフレームワークやツールもどんどん新しいものが生まれてきます。
利益を出すためには当然、制作のスピードを上げた方がいいですよね。
新しいツールの情報を仕入れてどんどん試していく意識も大切。ただし新し過ぎて実装事例が少ないツールは注意が必要です。
6. これからのWebディレクターに求められること
ここまでWebディレクターがやるべきことをたくさん解説してきましたが、実はもう一つだけあります。
これからWebディレクターになる人は「ただのWebディレクター」から「Webディレクター+α」を目指すべきだと考えています。
あくまで例ですが
これからのWebディレクターに求められること(例)
・Webディレクション+マーケティング
・Webディレクション+動画
・Webディレクション+経営戦略
・Webディレクション+AI
例えばこういった具合に、ディレクション業務以外で「これだけは他の人には負けない強み」を持っておいた方が絶対に良いです。
理由は、将来のステップアップに役立つ武器となるからです。
「ずっと同じ会社で働き続けるから、そこまではいいかな」という人もいるかもしれませんが、顧客への提案の幅を広げるという観点でも必須の考え方です。
最初から取り組む必要はないので、ある程度慣れてきたら意識しておくことをおすすめします。
7. Web業界に強い転職エージェント
未経験でWeb業界、Webディレクターに転職を考えているのであれば、業界に特化したエージェント、未経験でも有利な転職サイトを利用すべきだと僕は考えます。
僕自身も利用して、特におすすめできるのがこちら。
エージェントでありながら、Web業界で働く人が集まるイベントも運営している会社です。日本ディレクション協会の理事や関係者が主催されるイベントも多いので、僕もここで多くの人と知り合い、今でもつながっている人がいます。
Facebookのようにビジネスで関わる知り合いの管理する機能や、求職者と企業が直接やり取りできる機能などを持つSNSサービスです。「話を聞きに行きたい」ボタンがあって、まず企業の担当者と気軽に会って話ができるのが特徴です。
未経験者におすすめする理由は、下記の記事をご覧ください。
デザインやプログラミングを学びながら転職活動の支援もしてくれるスクールも紹介しています。
≫【未経験でWebディレクター】おすすめの転職サイトと転職型スクール
まとめ|Webディレクターは未経験でもなれる
僕自身が34歳でWebディレクターに転職をした経験をもとに、Webディレクターになるための考え方、やるべきことなどを解説してきました。
最後にもう一度まとめます。
再三書いていますが、Webディレクターの仕事は大変です。
でもその代わりに、やりがいはとてつもなく大きいのがWebディレクターの最大の魅力です。
Webディレクターが担う役割の多さ、重さの分、こんなにたくさんのやりがいが得られるはずです。
この記事を読んで、これからWebディレクターを目指す人の不安が少しでも解消されて、ステップアップしていける人が一人でも増えてくれたら嬉しいです。
Webディレクションについては、こちらの記事も合わせてどうぞ。

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