こんにちは!
てつごろう(@Te256g)です。
NoCode(ノーコード)をご存知でしょうか?
プログラミングの知識がなくても直感的な操作でWebサービスやアプリを開発することができるプラットフォームで、近年GoogleやAmazonも参入するなど、注目を浴びています。
NoCodeのおかげで「こんなアプリを作りたい。でも知識もお金も時間もない」と嘆く必要がなくなりつつあります。
IT業界はもともと変化のスピードが早いと言われてきましたが、特に昨今はコロナの影響もあってめまぐるしく社会が変化しており、NoCodeはそんな中で企業が柔軟に生き残るための救世主となりそうな予感です。
個人でもWebサービスやアプリを開発して一躍有名になった起業家はたくさんいますが、これからは専門知識がなくても気軽にアプリ開発ができる時代になりそうです。
そこでこの記事では、今特に話題になっているNoCode(ノーコード)の概要、特徴、代表的なツール、学習方法など網羅的に解説します。

NoCodeについて知らない方向けに、ざっくり知ってもらえるようにまとめた記事なんだよ。
NoCodeに関する記事を掲載したら、このページにも随時掲載していきます。
筆者について
てつごろう|@Te256g
1. NoCode(ノーコード)とは?今注目の開発ツールを解説
NoCode(ノーコード)とは、プログラミング不要でWebサービスやアプリの開発をする仕組みです。
コードを書くことなく、クリックやドラッグ&ドロップといった直感的な操作でプログラムを組むことができます。
WordPressなどのCMS、Wixなどのサービスは、Webサイト制作に特化したNoCodeプラットフォームの一つです。
またECサイト(ネットショップ)を作れるBASEやSTORES、カラーミーショップ、shopifyなどもその一種。
下記のように、プログラミングをしなくてもWebサイトやアプリを作れる環境はたくさん存在します。

引用)The No Code Development Landscape: Every Tool To Create Without Code, Categorized
従来、これらのWebサービス、アプリを開発するには、ユーザーが触れる見た目や操作を実装するフロントエンド開発、その裏側でデータベースやサーバーとやり取りをするバックエンド開発が必要でした。
しかしNoCodeの開発ツールを利用すれば、それらの知識がなくてもWebサービス、アプリを開発できます。
2. NoCodeでできること

- Webサイト
- アプリ(モバイルアプリ、Webアプリ)
- 業務改善ツール
上記の通り、コーポレートサイトやブログなどのWebサイトはもちろん、メルカリのようなサービス、ネットショップ、チャットなどを作ることができます。
実際にNo Codeで開発され、一般に利用されているサービスもたくさんあります。
また愛媛県の病院で、コロナ対策システムを内製したというように、プログラマーではない人がアプリやツールを開発して活用している事例も出るようになりました。
ただしデメリットもいくつかあると言われています。
- 開発ツールそれぞれに向き・不向きがあり、途中で機能が実装できないと判明することもある
- プラットフォームに依存するため、万一、プラットフォームが終了した時の影響が大きい
- プログラムの細かな調整や融通が利きにくい
- 生成されるコードが読みにくいなど、保守性に弱い
No Codeの開発ツールにはたくさんの種類があって、それぞれに向き・不向きがあるようなので、作りたいと思っている機能が実装できない可能性もあります。
Webサイトを作るNo Codeツールもすでに様々な種類がありますが、自動的にコードが生成されるためSEOに弱いと言われたりもしています。
3. NoCode市場・業界の動き
海外を始め日本でも今年、かなり大きな動きが起こっています。
一般ユーザーの開発者が増え、企業のIT人材不足問題を救うかも?という流れも起きています。
3-1. Google、Amazonも参入
2020年1月、GoogleがAppsheetというNoCode開発プラットフォームの企業を買収しました。

また、Amazonも6月に「Amazon Honeycode」というNoCode開発ツールを発表しています。

ここ最近は特に活発化していて、GAFAの2社が動いていることで非常に注目されています。
日本でも、7月にFor A-career社(転職支援企業)がAdaloというNoCodeツールで作られたSPOTTO(就活支援サービス)を買収したのですが、NoCodeツールの買収案件はこれが日本初とのことで話題になっていました。

3-2. 今後ますます利用者が増える?
プログラミング不要な開発ツール自体は以前から存在していましたが、近年、業界の動きがより活発化しているのには、いろいろと背景があります。
例えば以前のNoCodeツールは、使い勝手や汎用性の面で不都合も多かったようですが、最近は見た目の柔軟性、操作性が進化したツールが登場しています。
WordPressなどのCMSも、登場した当初に比べてUIが格段に改善されてきましたが、それと同じことが言えますね。
Citizen Developers (市民開発者)といった言葉も登場していて、専門知識や長年の経験を持つプログラマーでなくても簡単に開発できるため、副業としてNoCodeを使ってサービスを開発する人も出てくると予想する人もいます。
小学校でのプログラミング教育必修化を受けて、自分でアプリ開発をする人や、お子さんにプログラミングを教える親御さんが登場し、その動きに合わせてNoCodeのニーズも飛躍するのではと、僕は考えています。
3-3. ITの人材不足を救う?
僕が企業に勤めていた頃にもひしひしと感じていましたが、ITの人材不足問題は深刻化してきています。
実際、転職市場でもIT系の求人はまさに「引く手数多」状態です。
一方、ユーザーのニーズはどんどん変化して、それに合わせて競合他社も変化していく。
勝ち残るためにはスピードが求められますよね。
そうなると、サービスや商品の情報発信もスピードが命になるわけですが、企業は既存の業務で手一杯。
でも古いシステムを入れ替える予算も人員もカツカツ。
こんな負の連鎖から抜け出せないという状況にいる企業が多いわけですが、そんな時、NoCodeの技術は開発コストを抑えることができて、スモールスタートしていけるため、まさに救世主になるのですね。
さらに今年は、コロナ禍の影響もあります。
早い変革を成し遂げていくためにも、NoCodeというプラットフォームは最適な選択といえるわけです。
4. 代表的なNoCodeプラットフォーム

NoCodeのプラットフォームにはたくさんの種類がありますが、いくつかピックアップしてまとめました。
4-1. Bubble
NoCodeプラットフォームの代表格と言えるのがBubbleです。
非常に幅広く細かな機能を実装することができるのですが、その分、プログラミングの基礎的な仕組みを理解していないと、つまづきそう。
さらにハードルを上げてくれるのは、公式サイトが英語というところですね。
ただチュートリアルはしっかりしているので、じっくり学べば問題ないかと。
Bubbleについて解説した記事はこちらです。
4-2. Adalo
人気のツールの一つがAdalo。
こちらの動画を見ていただければ分かると思いますが、直感的な操作で開発できるのが売りです。
アプリはもちろん、Webサイトをサクッと作りたい時におすすめです。
4-3. Glide
スマホやタブレットなどモバイルに強いツールがGlideです。
Adaloと同じく直感的に作っていけるのが特徴で、とにかく早くサービス開発できます。
簡単に開発できる反面、実現できるものに制限があるとも言われています。
4-4. AppSheet
2020年1月にGoogleに買収されたサービスで、Google Cloudの一つ。
業種・業務・機能毎に分類された豊富なサンプルアプリを元に、超高速なアプリ開発ができるのが特徴です。
4-5. Thunkable
モバイル向けのアプリ開発プラットフォームで、ブロックを組み合わせていくだけで簡単にアプリを作ることができるのが特徴のThunkable。
Androidアプリ、iOSアプリ、Webアプリ(PWA)を、プログラミングすることなくドラッグ&ドロップの操作だけで作ることができます。
4-6. Arcadier
ECサイトを作ることができるツールです。
近年、市場規模が拡大しているネットショップやフリマアプリのようなサービスを、プログラミングすることなく視覚的に作ることができます。
4-7. STUDIO
プログラミング不要でWebサイト制作ができる国産ツールの一つです。
アニメーションを付けたWebサイトが数時間で作れてしまう、勢いのあるプラットフォーム。
4-8. Webflow
Webサイト制作ができるツールの一つで、スタイルも自在に編集が可能です。
HTMLやCSSの知識も必要ですが、柔軟に幅広いカスタマイズができるのが特徴。
他にも様々なNoCodeツールが存在します。
ボイスアプリやチャットツールに強いVoiceflow、会員制のサイト向きのMemberStackなどたくさんの種類がありますが、こちらの記事でわかりやすく紹介されているので、興味がある方はぜひご覧ください。

5. NoCodeを学ぶ方法
「世界最大級のオンライン学習プラットフォーム」と呼ばれるUdemyでは、Bubble、Adalo、Glide、AppSheet、Webflowなど当ブログでもご紹介しているNoCodeプラットフォームの講座も公開されています。
一部、無料で公開されている講座もあるので、気になる方は登録してみてください。
NoCodeを学ぶ方法をいくつかご紹介します。
多くが英語なのでハードル高いかもしれませんが、各ツールでは学習用の動画やチュートリアルも揃っています。
日本でもユーザーフォーラムがあるので安心してください。
とはいえ情報量は英語に比べるとまだまだ少ない印象ですね。
5-1. チュートリアル
今回ご紹介したbubble、Adalo、Glideはいずれも学習教材としてチュートリアルやレッスンが豊富に用意されています。
ユーザーフォーラムもあるので、知りたいことがあれば情報を得ることはできます。
ただしいずれも英語です…
Bubble:https://bubble.io/academy
Glide:https://www.glideapps.com/learn-to-glide
Adalo:https://www.adalo.com/learn
5-2. コミュニティ
No Code Founders(英語)

NoCode関連のニュース、開発者のインタビューが日々公開されているコミュニティサイトです。
開発者同士でコミュニケーションが取れるSlackもあって、日々活発なやり取りがされています。
puzzlly(日本語)8/15追記

動画の学習教材が揃っている日本語のサイトです。
東京フリーランスさんが運営されています。
Slackのコミュニティもあるので、仲間を見つけることもできますよ。
5-3. オンラインサロン(日本語)
NoCode Ninjaさんが運営するオンラインサロン「NoCodeCamp」です。

開発者が集まっているサロンで、質問し放題、知見共有、NoCode Ninjaさんによる調査報告、共同開発、イベントなどもりだくさん。
日本初のNoCode専門オンラインサロンとのことで、これから学ぶ方には心強い存在ですね。
1ヶ月5,000円です。
5-4. NoCode Forum
NoCode Japanが運営する日本のユーザーフォーラムです。
掲示板形式で、分からないことは質問すれば開発者の方が回答してくれます。
8/10時点ではAdaloとbubbleのみ対応しています。
5-5. Twitter
オンラインサロンを運営するNoCode Ninjaさん、NoCode Forumを運営しているノーコード博士さんのTwitterも参考になります。
NoCodeに関するニュースや開発者向け情報を発信されています。
5-6. YouTube(8/11追記)
しんじさんが運営する「NoCode School – ノーコードスクール -」というYouTubeチャンネル。
登録者数5,000人近い規模で、bubbleの使い方を始め、実際にNoCodeでアプリを開発する方法を動画で解説されています。
5-7. NoCodeを学ぶ方法(2021/8/26追記)
2021年8月26日最新情報!!
動画のオンライン学習サイトで取り扱われるようになっていました!(2021年8月時点)
「世界最大級のオンライン学習プラットフォーム」と呼ばれるUdemyは、動画で学べるのでおすすめ。
BubbleやAdalo、Glide、AppSheet、Webflowなど、当ブログでもご紹介しているNoCodeプラットフォームも動画講座が用意されています。
一部、無料の講座も公開されているので(2021年8月26日時点)、気になる方はとりあえず登録してみては?
もちろん、日本語の講座はたくさん公開されています。
「Glide」「Adalo」「Bubble」を学べる日本語の専門書もあります。
日本語でまとまっている参考サイトや書籍はまだまだ少ないので、このような本を購入して学ぶのが効率的ですね。
NoCodeの基礎から、NoCodeツールの中でも特に人気のある3つのプラットフォームの使い方まで網羅的に学習できます。
6. アプリを作りたくても諦めていた方におすすめなNoCode

今回はNoCode(ノーコード)についての概要、特徴、代表的なツール、学習方法などを解説してきました。
特に昨今のように変化の早い時代は、企業も個人も柔軟な対応が求められますが、新しいシステムやサービスを開発したり構築するには高いコストがかかります。
NoCodeのツールが進化し、誰でも簡単にアプリやサービスを開発できるようになったことで、そのハードルは劇的に下がってきました。
これまでアプリを作りたいと思っても費用や時間の制約などで諦めてきた方は、ぜひ一度試してみてください。
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